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そして、富山 [黒森庵]



今回の一人旅の最終地は、富山。


黒森庵が入手する玄蕎麦をの生産者さんとお会いし、

いろいろと情報交換をする、一年で大事な一日。


とくにここ数年の蕎麦栽培の状況に変化があり、

去年はたいへんな年だった。


黒森庵の場合は、ほぼ一年休業してしまい原材料入手の心配はなかったが、

国内産玄蕎麦だけで商売をやられている手打そば屋さんたちは、

材料確保でさぞかしたいへんだったと思う。


そんなこと、こんなことを話しに、富山、だ。




大久保さんのクレデンザの音を思い出しながら、

上信越道から、北陸道へ。

サービスエリアに立ち寄り、コーヒーを一杯。


さすが、上越。

米パスタ.jpg
ライスパ、とくるか。

米めん.jpg
米めん。「熟成半生麺」、熟成って?


親不知あたりで海が見え、いつもここで

「ああ、来たなぁ」

と思う。

日本海.jpg



砺波ICで下り、

山に入る。

ここも通るたびに、いつも下はどうなってるのかな、と思う。

橋の真ん中で、下を覗いてみたいと思って停車。

小川.jpg
おお、小川が流れていたんだ、きれい。



おお、こんな景色が(運転してると、見えないものですね)。

清水.jpg
ゴルフ場のグリーンじゃありませんよ。


とかなんとかやっていると、到着です。



「清水そばそば峠」

そばそば峠.jpg


そば屋さんです。

このそば屋さん、こちらの地域の生産者さんたちが集まり運営されている。

つまり、一次産業、二次産業を同時に行っている。

ある意味では最も効率も良く、

もっとも美味しいそばが食べられるシステムだ(あこがれ、です)。


ここの代表者が、谷上さん。

ぼくが黒森庵を開業する時からお付き合いさせていただいている方。




ここでひとつ、ぼく自身の話しをします。

たいしたことじゃありませんから、ちょっとおつきあいください。



ぼくは、日本中の蕎麦産地を巡り、あれこれ調べるというようなことはしません。


同様に、食べ歩きも、やらないわけではありませんがあんまり(ほとんど?)やりません。


ぼくが一番大事にしたいのは、人・もの、との、えにし、つまりご縁です。

すべてのことのスタートは、ここからなんです。



谷上さんとのご縁は、こうでした。


ぼくは、昔SONYで工業デザイナーとして働いていた時期があります。

そのときの上司が、Mr.ウォークマン(ウォークマンの父)といわれた黒木靖夫さんでした。



ぼくは社内ではずいぶん「へんなやつ」と思われていたと思います。

黒木さんは「へんなやつら」がお好きだったんだと思います。

たいへん可愛がってくれました。

へんなことやってると、かばってくれました。



ぼくが黒森庵を始めようと思う、と話すと、


「材料はあるのか」


とすぐに親身になって相談に乗ってくれました。


ぼくは、蕎麦の業界では10年以上のブランクがあるから、

玄蕎麦(原材料のことですね)に関してはほとんど「新人」同様で、

どこの産地が有力かなど、右も左もわからない状態でした。



長野黒姫の「ふじおか」さんとは、ずっとお付き合いが続いていましたから、
(彼とのご縁話しは、また別の機会に)

彼からはある程度玄蕎麦を分けていただくことは決まっていました。

でも、それでも1/3程度。




「黒木さん、もしできましたら、富山の蕎麦を試したいのですが」

「よし、わかった」




当時黒木さんはSONY退社後、個人事務所を開設され、

富山高岡にデザインセンターを立ち上げ、

そこの所長をされていました。


社内をいろいろと当たってくださったのだと思います。

堂本さんという方をご紹介いただき、

彼のご縁で、谷上さんをご紹介くださいました。



谷上さん。

この方が、今の黒森庵の柱です。


大久保さんとよく似ていらっしゃる。


正直。

前向き。

好奇心のかたまり。

行動力。

その根底にある、太陽のような愛情。


そう、大久保さん、黒木さん、谷上さん、まったく根っこが同じだ。



そういう彼が育てている畑です。

そば畑.jpg
(今日は雨でした)



ご存知の方も多いかと思いますが、近年、

「ミツバチが忽然と消える」ことが全国、いや、全世界的に報告されています。


ぼくは1986年だったと思いますが、3年間、

八ヶ岳山麓で自然農法(福岡正信さんの本を畑で読みながら)で、

蕎麦を栽培していました。

その頃のことを今でも鮮明に覚えていますが、

うるさいほどにミツバチがいました。

その他の昆虫もブンブン飛び回っていました。



しかし、最近の畑は、なぜか静かです。

虫たちは、数えられるくらいです。



蕎麦は虫媒花ですから、虫が介在しないと結実しません。



なにかレイチェル・カーソンさんの「沈黙の春」のようで、

最近の蕎麦畑に立つと、ちょっとドキッとします。



それはともかく、去年の国産の蕎麦は不作でした。

全国的に見れば標準的なところもあったようですが、

不作のひどいところは、目もあてられないほどだったとききます。

来年畑に播く種すら穫れなかったそうですから。



今回も谷上さんとは、

こういったことに対する対策などを、

いろいろと話し合うことができました。


谷上さん、対応が早いんです。

思ったら、すぐやる。


今年の新蕎麦に、期待しましょう。



その、谷上さんを長とした、冒頭でお話をしたそば屋さん。

なんと、こちらも石臼の調子が出ていないそうなんです。

どうしちゃったんでしょうね、

ぼくが知っているだけでも、今年の夏調子が悪くなったそば屋さんは、これで3軒。

なので、今回も「ちょっとだけ」です。




そば屋が、そば屋の宣伝を、しますとも 富山清水「清水そばそば峠」



ここの一押しは、もちろん十割のもりそばなのだが、

臼の調子が今一ということなので、まずは温そばで。

雉そば.jpg

鶏でも、鴨でもない、雉。

鴨のこってりさではないが、風味豊かでじつに美味しい。

つゆもしっかりと出汁をとられているのだろう、たいへんに美味しい。

辛味大根と葱の細切りが薬味で、これがまたよく雉とあう。


お店の方が「おそるおそる」出してくださった、せいろ。

もりそば.jpg
もりそばアップ.jpg

心配するには及ばない風味が、しっかりあります。

おいしい、だいじょうぶ!

だいじょうぶなんだけれど、いつもこちらでいただくそばより、

ちょっと短め。


「そうそう、そうなんです、今までとちがって、ものすごく打ちにくいの」

包丁仕事.jpg
女性が打っておられます。



たぶん、臼の目たてか、回転数か、落としこみの量の問題・・・。

いろいろとお話しして、ぼくの勘では臼の目立てか。


すぐやる課の谷上さん。

その場で石臼屋さんに連絡をして、目立てをしてもらうことになりました。


たぶん、このブログがアップされるころには、

きっと問題は解決しているでしょう。


最後にいただいた、新製品のそばまんじゅう(自家製)もおいしかった、

なにからなにまで、満足、ごちそうさまでした。

またまた、至福。

住所:富山県富山市山田清水10-15
電話:050-3433-5500
営業時間:11時~14時
ランチ営業、日曜営業
定休日:水曜日
完全禁煙
駐車場あり




一泊二日の、蕎麦の旅は、これで終わり。

あっという間の、もうれつに密度の濃い時を過ごした。


来年は、女将はもちろん、家族でまたこよう。



走行距離.jpg
総走行距離1127.7kmでした。

一日200km走れば、5日の自転車の旅だな、いや、でも、アルプス越えがある・・・か・・・、

とつぶやいて、おしまい。