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新しい世界



ぼくたちは、3月11日以降、


今までとはまったく異なった世界に住むことになった。



関東・東北太平洋岸の人々の被災は、


今までぼくが目にした阪神淡路大震災、


スマトラ沖巨大地震・津波出さえかすむほどの震災だった。




それでも、


今までの日本の国力があれば、


全国民が頑張れば、


きっとなんとか復興できたと思う。




しかし同時に、原発事故が起きた。



そしてその事故は、


6ヶ月になろうという今も、


まったく「しゅうそく(終息)」の「し」の字さえ聞かない。




またもし、


さらなる大きな余震でも起き、


さらなる原発事故でも起きたとしたら、


たぶんこの国は、もう、


取り返しのつかないことになるだろう。




さらに東京以西すなわち、


東海、東南海、南海地震がもし、


連動して起きるようなことでもあったら、


日本という国の存続に関わるような出来事になるだろう。




そういう世界にぼくたちはいま、


生きている。




3月11日以後、ぼくたちは胸一杯の空気を

こころゆくまで吸うことができなくなった(少なくともぼくは)。



ぼくが毎朝起きるとまず最初にやることは、

ガイガーカウンターで空間線量を測ること。



おいおい、ここはSFの世界かよ、

と、言いたくなるが、これが現実だ。



ぼくが持っている測定器は、

もともとそんなに高性能なもんじゃないから、

測定値がそのまま信じられるかどうかは分らないが、

それでもおおよその目安にはなるだろうと、

毎日やってきた。



最近はもう一台、

シンチレーション・サーベイメーターという、

低線量地域でも良質な数値を出してくれる機器を入手し、

その数値も加え、対比させている。



でも、こんなことは、

国がほんとうに国民のために大事な、

正確な測定値を表示してくれていたら、

だれもやらなくてすむことだと思う。



高価な測定器を個人が購入し、

計測し、

ネットで公表し、

他の方々がアップする数値と照らし合わせて、

一喜一憂するなんて、

どう考えたって、普通じゃない。




ぼくが生まれた頃の


「街頭テレビ」


のように、


「街頭測定器」


を設置すれば、多くの国民は安心しただろう。




いや、まてよ。




いやいや、街頭測定器はずっと設置してあり、

そのデータは日々ネットで公開されている



いや、いやいや、

そうじゃないんだ、よ。



ネット環境のある人々にとっては

「街頭測定器」

足り得るが、

接続できない人たちにとっては、

やはりそれは

「無いもの」

なのだ。




今回の震災・原発事故で、

ネット環境がある・なしで、

人の命が左右される時代になったということがよくわかった。



より生の、

より真実に近い情報は、

ネットで検索をすれば、

ある程度手に入れることもできる。


たとえば、

政府・東京電力の記者会見などは、

3.11以後、U-STREAMなどでリアルタイムで厳しい質疑応答がなされていたが、

地上波のニュース、大手新聞ではまったく取り上げられていなかったり、

おそろしく「かいつまんだ」表現だった。



しかしネットだと、

おかしな、不明瞭な応答だったりすると、

ただちにツイッターなどで話題になり、

裏を取る人が出てきたり、

どんどんと核心に迫る「つぶやき」が充満した。



あ、話しを戻します。



東京都は百人町というところで、

モニタリングポストといって地上18m+床面より1.8m=19.8mの高さで放射線量を計測し、

その数値を示し、

「安心です、安全です」

と言い続けてきた。

(ぼくのブログには、こう書いてあります



その後、地表1mでの測定値が「追加」された


どういう経緯で、いつから「地表1m」が追加されたのかは置いといて、

全国的に「地表1m」というのは必須項目だと、ぼくは常々思っていた。

もっといえば、

一番放射能の影響を受ける赤ちゃんから幼児の「生活圏」すなわち、

地表すれすれの数値があってしかるべきだ。

いくら地上19.8mの数値が「正確」に測れるからといって、

それは子どもたちの世界には通用しない。



人々にとって、本当に大事な情報を、

今後ともぜひ公表してほしいと願っている。



SPEEDIという、本来は放射性物質の拡散予測をする

コンピュータによるシミュレーションシステムがある(こちらをごらんください)。



今回の原発事故では、最も必要な時期に、まったくデータが開示されなかった。


その理由はたしか、一般に公開するには、

コンピュータに打ち込むべき元データが不足していたために本来の機能を活用できない、

ゆえに不正確な情報は出すべきではない、

という趣旨だったと記憶している(加齢を考慮して読んでください)。



しかし一方で、海外では

ノルウェー、オーストリア、ドイツなどが

早くから「少ない情報(?)」を元にシミュレーション図をアップしていて、

それはかなり正確なものだった(と記憶する)。



現在はこちらのみとなってしまったが、

それでも、日々の生活に大変役に立っている。

足をスイスに向けて寝られません。

ありがとう、スイス。



一番、国民を守らなければならないはずの国が、

6ヶ月も経つ現在もまだ、

素晴しい技術を持ちながら、

こうした情報を出さないというのは、どういう理由があるというのだろう。



元々SPEEDIの存在を知っていた人々から、

「なんで開示しない」

「隠蔽だ」

などという声が上がりだし、

事故後、5月の頭あたりだったかに、

ようやく開示された。



文部科学省のページより。

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)等による計算結果



開示されはしたが、

ごらんいただければ一目瞭然、

素人の一般人にとってはとても分りにくいものだった。



しかし、群馬大学教授火山学者早川由起夫さんは、

「ほんとうのSPEEDIはこれだ」

と、ご自分のホームページで、

10年前に三宅島が噴火したときに使用したデータを公開している。

ぜひ、こちらをごらんください



なんと分りやすいのだろう。



このシミュレーションが、原発事故後すぐに一般公開されていれば、

人々はどれだけ被ばくせずに済んだことだろう。



どれだけの人々が自宅に避難し、

換気扇を止め、

窓を目張りし、

外出をするならマスクをし、

子どもたちには外出厳禁と注意を促せただろう。



SPEEDIがそうだったように、

今回の原発事故に関する出来事は、

なにからなにまでと言ってよいほど、

政府、東京電力の発表を信じていては

「我が身が危ない」

というような状況だったと思う。



そしてそれは、今も続いている。



そういう状況の中、

女将ことぼくの妻は、悪性脳腫瘍と向き合っていた。



ぼくは何度も、子どもたちの海外疎開を考えた。

東京にも高濃度の放射性物質が舞い降りたと思ったからだ。



海外疎開をするということはもしかしたら、

女将こと、彼らにとっての母親の死に目に会えないかもしれないこと、

でも、ぼくは最後まで彼女に添い遂げる、

だから海外に行くのは子どもたちだけだということ、

そういう話しは何度となく、夕食時の会話に出した。



幸い、現在の東京の数値はそれほど高いというほどではない程度で横這いだ。

でも、3.11前に比べれば今でも高いのは事実だし、

大きな余震が再び福島を襲えば、なにが起きるかは分らない。


2011081523291597b.jpg
ちなみに、3.11以前の日本列島は、こういう数値だった。


今は、こう



そして、

「次の震災級の大地震」

は、

いつ起きてもおかしくないといわれている。



ぼくは不安を煽ろうとしてこういう話しをするのではない。


現実が、こういう状況だということなのだ。



ぼくは、今の時代を、

「透明な戦争」

だと思っている。



ぼくが言うことを大げさだと思うのなら、

それは個人の感覚の差かもしれない。



でもどうか、

年間20mSvという数値を子どもたちに許容した国だということを、

忘れないでほしい。




国は、常に新陳代謝しているはずだ。

皮膚が常に新しいものと入れ替わるように、

ぼくたちの命も、常に入れ替わり、

常に若い世代が、次の世代を支え、

そうして一つの国が成り立っている。




つい最近、最愛の妻は次の世代にバトンを渡した。


でも、バトンを受け継ぐ人間がいなかったら?



そこで、その国は終わる。




ぼくらはいま、


そういう状況下で生きている。




でも、だ。



そうあって、たまるもんか。


ぜったいに、次の世代にバトンを渡す。


ぼくは、この国が、この国に住む人たちが好きだから。





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