So-net無料ブログ作成
検索選択

女将の病状


ぼくとしては、珍しくブログを書かない日が続きました。



入院.jpg
女将が入院し(入院手続き中です。0.09~0.10μSv/hあ、そんな場合じゃない)



治療を開始しようという時でしたが、

体調が今ひとつ思わしくなく、

いわば「低空飛行中」の彼女、

そこに抗がん剤投与というのはつらかろうと思い、

主治医のK先生と入念な話し合いをしました。



今回の一連の療法は「ICE」療法といい、抗がん剤治療の一つです。



名前はおいしそうなのですが、

女将にとっては身体には堪える治療でした。


前回この治療を行った後、

一時白血球がガクンと下がり緊急外来で治療をした経緯があり、

今回、同じ治療をもう一回、

彼女の人生のこの時期にするということに、

どれだけの意味があるだろうという話しになりました。



一般的には、現段階での「ICE療法」というのは、

まちがいなくすぐれた治療法の一つだと思いますが、

末期の彼女のQOL(Quality Of Life=命の質)という意味において、

この治療後の彼女にどれだけの体力、気力を残せるかという一点において、

そばでいつも彼女を見ているぼくは、

今回は厳しいと感じました。



そこで、ぼくは違う方向を探りたいと申し出ました。



まさに明日から治療開始という時でしたが、

主治医のK先生は、ぼくの気持ちを理解してくださった上で、

二つの選択肢を提示してくださいました。


一つは、テモダール。


もう一つは、アバスチン。


どちらも、女将は一度やっている治療法です。



ところで女将は、まるで子どものようなんですが、

錠剤の薬が飲めない。

飲めなくはないんだけど、すごく苦しがって、飲む。

小さな錠剤一つ飲むのに、コップ一杯くらいの水が必要。


テモダールというのは、錠剤ではなくカプセル、

しかもカプセルの中でも、大きめに属する。

それをいくつも飲まなければならない。



いわゆる末期といえる彼女の状況において、

それは拷問に近い。


ということで、テモダールはなし。



もう一つの奥の手を、今回は選択することにしました。



アバスチン再投与。



これは現段階では、末期大腸がんなどでは保険適用薬ですが、

女将の脳腫瘍は適用外なので、自費です。

すごく高価な薬なのですが、

以前、女将のアバスティン治療の時、

その副作用のなさに驚いたのを覚えています。

まったく副作用がないといってよい。

そして、はっきりとした効果があった。


また、主治医のK先生のお話しでは、

まだアバスチン治療には未知の部分があるといいます。

その響きにもグッと来るものがありました。


さらにいえば、

この最終段階において、

アバスチン治療を選択する患者さんが少ないなら

なおさら、後々の患者さんたちのためにも、

女将の情報は役に立つと考えました。


その旨をK医師にお伝えしたところ、

眼を赤くし、

「そこまで考えてくださっているとは」

と、喜んでくださり、彼とは固い握手をしました。




しかしそれでも、非常に難しい選択なんです。


女将の病気は、このところかなり進行しています。


治療を終了する、


というのも選択肢の一つに入れてもよいくらいの時期に


さしかかっている気がしています。



でも、元気といえば、元気なんです。



へんな言い方ですが、

女将は、脳以外の部位には、なんら異常がありません。

そういう意味で元気なんです。


右脳の手術をしたので、左半身の失行がありますが、

それでも、身体的に、生きるという意味においては元気なんです。



だから、ブログで写真に移っているお茶目な女将は、

べつになんの脚色もしていませんし、

「元気そうな写真だけをピックアップ」

とか、そんなこともしていないんです。



ほんとうに不思議な病気です。


痛みを訴えるでもなく、

いつも通りに楽しく家族と会話し、

おいしく食事をし、

音楽を聴いたり、

そんな日々を送っています。



ただ、

記憶だけが薄れてゆきます。



まさにコンピュータのメモリが飛ぶ、

そういう感じでしょうか。


だんだんと、その度合いが強くなってきています。



幸い、ぼくら家族のことは完全に理解していて、

楽しい会話をしていられますが、

朝食べた食事のことを、昼、覚えていることができません。


直前の記憶がなくなってしまうのです。


でも一方、

古い記憶、たとえば、

自分の子ども時代、

ぼくと出会ったころ、

子育てをしていたころ、

好きな音楽、などなど、

様々な過去は、今でも鮮明に覚えています。


そういう女将、

ぼくが今このブログを書いているのは夕方の3時ですが、

今ごろアバスチンの治療を行っていると思います。


三女が今は病室で女将に付き添っています。


これからぼくが病院に行き、三女とバトンタッチをします。



そうそう、このアバスチン治療、

すぐに終わってしまうので、

明日、退院です。


効いてくれるといい。




ねぎとろ.jpg助六.jpg入院.jpg
nice!(0) 

nice! 0