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" U-ROAD " という名のバイク。


毎週金曜日官邸前、チャリデモで走っていたら、取材の依頼があった。



今までにも何回か取材はあったのだけれど、


ぼくが抗議行動に参加する理由を取材するのでなく、


乗っている自転車の取材をしたいという。



おもしろいじゃないか、そしてうれしい。



だって、本音からいったら、

「反対、反対」

と言っている理由を話すより、

楽しいことの取材のほうがずっと、いい。



早速、お受けした。


自転車人.jpg
自転車人




U-ROAD.jpg
僭越ながら、前を走るのがぼく、後ろが庭野さん。



この自転車は、ぼくと庭野さんは「U-ROAD」と呼んでいる。

フレーム形状が「U字形」をしているからだ。

ロードバイクなのに、トップチューブがない。

簡単に言っちゃうと、ベースはママチャリだ。



なんで?



ぼくはロードバイクも持っているが、

夜中にコンビニまでロードバイクで行く人はあまりいないだろう。

走りに特化していること(ビンディングペダルとか)、

高価ということ(すぐ盗まれちゃうから、ね)、

などから街乗りにあまり適しているとはいえない。



でも、一台しか持てないなら、

ポジションはロードポジションで、

でも安価で気軽に乗れる自転車があったらどんなに素敵だろうと思っていた。



ロードバイクというと、

当然製品企画の最初から性能が重視されるだろう。

その為にさまざまな技術が投入され、

当然製造コスト・部品コストも高いものとなる。


でも一方、ママチャリというと下手すると一台1万円でおつりがきてしまう。


それなら、ママチャリの製造ラインでロードバイクは出来ないものだろうか?

1万円というのはさすがに無理だろうが、

もし国産品で2万円台のママチャリだったら、

部品をロードバイク用に交換しても5万円以下で出来るんじゃないかと思った。

うまくすれば3〜4万円?


そこまで価格がこなれれば、盗まれる心配もないだろう。

街乗りもし易かろう。



そういう考えがぼくの中にあった。



実際にも、家では自分で改造してそういう自転車に乗っていた。


リッケンバッカー号 のコピー.jpg
(妻が子どもたちの幼稚園送迎用に使っていた)



話しは遡るが、

ぼくは今はそば屋の主人(休業中だけど、ね)だけど、

もともとは工業デザイナーで、

やろうと思えばでもデザインは出来るし、図面も引ける。



そういうぼくは2001年9月、

カタログハウスという通販会社からスピーカーを出した。

(詳しくは糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」にあります)


このスピーカーを生産・販売するにあたって、

ぼくとカタログハウスの間に入ってくれたのが、庭野さんだった。


このスピーカー・アンプがことのほか好評で、

庭野さんの会社の社長さんと打ち上げをやっていた時、

次、何をやりますか?

と社長さんからリクエストがあった。


ぼくはすかさず、

「自転車」

と答えた。



2001年というと、まだこれだけの自転車ブームになる前だったが、

ぼくには作りたい自転車があった。


そのうちの一台は、買い物に特化した自転車で、

たくさんの荷物を積んでもふらふらしないというもので、


BANDOR&GHIBLI BIKE 012 のコピー.jpg
こういう形で世の中に出た。

リアキャリアには、缶ビール24本入りケースがすっぽり収まり、

その上に5kgの米を載せてもだいじょうぶ。

前にはトイレットペーパー18個入りがすっぽり収まる。



そしてもう一台は、


U-ROAD.jpg
U-ROADとなった。



ぼくはこの自転車を企画するにあたって、

大手メーカーにリクエストをした。


それは、その会社のメインの自転車数台を試乗することだった。



海沿いのサイクリングロードを、


茅ヶ崎1.jpg
茅ヶ崎2.jpg
庭野さん、メーカーのひとたちと、みんなでママチャリで疾走した。


4台の試乗車のうち、とくに一台の走りが印象的だった。

そのフレーム形状が「U字形」だった。

ステンレスとアルミ、どちらも同じデザインだったが、

なぜかステンレスのほうが走る。

庭野さんもまったく同じ意見だった。



それまではスタッカードフレーム(トップチューブが斜め)のほうがしっかりしていそうで、

そのほうが力の応力も逃げないので良いのだろうと思っていたのだが、

実際の走りはまったく違った。

ぐんぐん前に進むのは「U字形フレーム」だったのだ。



あまりに印象的だったので、

メーカーに、

「このフレームで徹底的に走り込んだことってありますか?」

と尋ねた。


つまり、このフレームで、

性能的に最高級の部品で組んで走ってみたことはあるか、と尋ねたのだ。

もっと言ってしまえば、

DURA ACEレベルの、あるいはNJS(競輪)レベルの部品で組んだら、

どんな走りになるんだろうと、ぼくの胸は高まった。


メーカーの答えは、

そういうことはしたことはありません、とのこと。


それなら一台、試作を作って実際に走ってみたいと申し出た。


そうして出来上がってきたのが、これ。


アップライト.jpg
(26インチタイヤ。ハンドル、ステム、その他部品はぼくのポジションに替えてあります)



我が家に送られてきて、早速試乗してみる。


おもわず顔が「にっ」となるような走り心地。


まさに海沿いで走ったあの快感が戻ってきた。

そればかりでなく、

部品が競輪パーツだったり、DURA ACEだったりするからにちがいない、

非常にしっかりとした、しかも自分が思った以上の速度で難なく走れている。


さらに。


このフレームは、フレーム自体がある程度の「サスペンション効果」を持つので、

振動吸収性が抜群によい。

マンホールとか、小さなギャップなどを

「タタン」

と乗り越える感覚は、唯一無二だ。



予感は的中した。


これをなんとか世に出したい。


そう思って、メーカーと何度となく会議をした。


しかし結果は、

「こういう市場があるとは思えない」

ということで、

今に至るまで世に出ることはない。



たしかにロードバイクの人気は高い。

でも、レースに出るわけではなく、

通勤で利用する人たち、

ポタリングをする人たち、

そしてとくに女性でロードバイクに乗りたい人たち、

あるいはランドナーとしてツーリングをしたい人たち、

多くの人たちに受け入れられるのではないかと、今でも思っている。



なにせ「トップチューブがない」のだから。


女性はスカートでロードバイクに乗れるのだ。


ツーリングで前後に山のように荷物を積んでも、

足を後ろに蹴り上げて乗り込む必要がないのだ。



残念ながら、いまだに製品化の予定はないけど、

じつに気持ちのよいバイクだということはお伝えしておきたい。



こんなの、フレームデザイン以前の話しだから、

特許も商標登録もくそもない。

そして、こういうバイクは手頃なママチャリがあれば、

かなりしっかりと走るバイクに仕上がるから、

一度試してみてはいかがだろう?



でも、いちばんいいのは、


どこかのメーカーが製品化してくれることだなぁ。


便利、フレンドリー、ストレスフリーな自転車だよ!




いませんか〜?



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