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地球は、だれのもの? Who does the earth belong to?



2015年8月5日は

すごく暑い日だった。



この日ぼくは

どうしても見たい展示があり

東京都現代美術館に行った。



その日のことは、てっきり

ブログにしていたと思ったが

どこをさがしても、ない。


まちがって消してしまったかと思ったが

ぼくはブログをアップすると

必ずツイッターへその旨を書き込むので

さかのぼって調べてみると

やはりそれもない。



書いてなかったのだ。



こんな感動を書いてなかったなんて

ちょっと自分でも信じられないが

今が、書く時なのかもしれない。


書こう。



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文明の終わり 2014年9月 ヨーガン・レール


沖縄にある海辺の家で
1ヶ月の3分の1を過ごすようになって
15年になります。

畑を耕し、創作のアイデアを寝る合間に
犬の散歩と気分転換を兼ねて
前の浜辺に降りるのが私の日課ですが
その度に悲しみと怒りが綯い交ぜになったような
複雑な気持ちになるのです。

なぜなら
浜辺を歩きながら
美しい貝殻や珊瑚のかけらを拾うのを
楽しみにしていますが
貝殻や珊瑚にも増して目に付くのが
流れ着く大量のゴミだからです。

時にはガラス製の古いブイが流れ着いたりして
面白く思うこともありますが
流れ着くゴミのほとんどは
醜いプラスチック製品のなれの果て…。

発泡スチロールの切れ端、ペットボトルのふた
洗剤の容器や、子供のおもちゃなど
日本のものもあれば
どこかアジアの国から流れ着くものもあります。

見つける度に拾い集めるのですが
次の日にはまた流れ着いています。

とうとう私は
それらのゴミを集めて
色ごとに分類して
何かを作り出そうと思いました。

ゴミだけで何かを作り出せるほどに
たくさん流れ着くので
そのことを多くの人に知って欲しかったのです。

先日、旅をして
与那国の浜辺へ降り立つ機会がありました。
砂に足を踏み入れて歩くうちに
なんとも言えない違和感を覚えました。

思わず砂に手を差し込んでつかみ
目を凝らして衝撃を受けました。
砂の中に、砂と同じくらい
細かく砕かれたプラスチック片が
びっしりと混ざっているのがわかったからです。

遠目には美しく見える砂浜なのに
こんなことになってしまっている。

誰でもない、人間がしたことです。

これは文明の終わり…
私にはそう思えてなりませんでした。

私は日本人ではありませんが
40年以上もこの国に住んでいます。

美しかった日本を覚えています。

もしも許されるなら、ずっとこの国で暮らしたい。

だから知って欲しいのです。

こんなに汚れてしまったことを
そして、ゴミを取り除くことの必要性を
ゴミを出さないことの重要性を。

これは日本だけの問題ではなく
世界中に伝えたいことです。

ゴミには目に見えるものもあれば
目に見えないものもあることを
皆さんはご存じでしょう。

そのどちらも増え過ぎれば
文明の終わりを招き寄せます。

おそらく地球自身は
自浄の努力をしているでしょう。

けれど、浄化のための大きな力になるのは
一人ひとりの小さな人間の力の終結でしかないのです。

もし、多くの人が
そのことに気付くために何かができるなら
今しなければならない
と思う気持ちを止めることはできません。

醜いプラスチックのゴミを大量に見せただけでは
その恐ろしさをわかってもらえないのなら
私はそのゴミを使って
何か自分が美しいと思うものを作り出す努力をします。

ただ美しいだけのオブジェでなく
もう一度人の役に立つ実用的なものに変えましょう。

これは、ものを作ることを仕事にしている
私の小さな抵抗です。

それによって
この大量のゴミに目を向けてもらえるように。

私はこれを自分の最後の仕事だと思っています。




(注:これを彼が書かれたのは9月。そしてその23日に、彼はこの世を去りました)





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ヨーガン・レールさんご自身が日々拾い続け

それぞれに色分けされた

膨大な量の、ゴミたち。



一つ拾うたびに、どれだけ

彼の心は痛んだことだろう。





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ヨーガン・レールさん、直筆のスケッチ群。





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ゴミが、美へ。






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彼の住む、海岸の様子。




最後になるが

なぜ、今書きたくなったかというと

瞑想していたら、急に

ヨーガン・レールさんとお会いした時のことが

蘇ってきたからだった。



瞑想が終わってから

彼を想い

あちらでの幸せと平安を祈った。



ブログを読み返そうと思ったら

書いてなかったのは冒頭に書いた通り。



そうか、今が、書く時だったんだ。





人間の利便・経済のために生まれ

使われた後は投げ捨てられ

孤独に海を漂流し続け

やっと岸にたどり着いても

忌み嫌われ続けた、ゴミたち。



ヨーガン・レールさんによって

ゴミは、美へと昇華し

きっと喜んでいるだろう。




でも、それでも

ゴミを出さない生き方

それが、本来なのだと思う。




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地球は、だれのもの?




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