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タコ焼きと、太陽と、お弁当。 [超夢]



今日の、超夢です。


いつまで見続けるのか、なぁ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・

映画を観に来ている。


ぼくはあんまり映画を観ないんだけど

どうやら観たい映画らしい。



指定された席に着く。


がらがらではないけど

ぼくの回りだけはとりわけ混んでいる。


しかも子連れ・赤子連れのお母さんたちが

ぼくの左側を占拠している。


折り畳みベビーカーまで持ち込んでいるから

彼女たちの前を通るのは不可能。



ぼくの右はというと

妙齢の男女ペアなので

これまたなかなか前を通りにくい。



てことなので

映画が始まる前に飲み物でも買っておこうか

その時にいっしょに

席の移動ができるか尋ねてみようか

と思ったら

場内が暗くなり始めた。



ま、いいか。



あれ、始まりの音楽がジブリアニメぽい。



劇場を間違えたのかな?

でも、入り口で切符を見せても

係員には間違いを指摘されなかったなぁ。



ま、いい、観てみよう。



え?となりのトトロ?

いや、なんかちがうなぁ

似てるようで、似てないなぁ。


なんかトトロよりもシリアスなんだけど

お母さんたちはいいとして

子どもたち喜ぶのかなぁ。



そんなこんなで、前半終了・・・

って、長編なんだ、この映画。



場内の照明が明るくなり

飲み物を買いに行こうと

妙齢のペアの前を失礼して通路に出て

階段を数段上るとなんと

わが黒い森の子リスが三匹。


うち一匹は結婚して赤ちゃん連れ。

どうやら赤ちゃんは2人。

あとの子リス二匹は

お守りと付き添いを兼ねて。


なんだ、来てたんだ。

親子でシンクロだね、と異口同音に。


じゃ、またあとで、と飲み物を買って

ぼくは自分の席に戻る。



左隣の子ども連れの家族は数組いて

なにしろ賑やか・・・

ていうか

我慢できるギリギリぐらいうるさいけど

ま、いいか。



劇場のシートはリクライニング式で

新幹線とか飛行機の背もたれのように

背面にはポケットが装備されていて

そこには魔法瓶やら袋菓子やらおもちゃやらが

ぎゅうぎゅうに詰め込まれている。


まるでピクニックの様相。


ここは映画館なんだけど、なぁ。



その時

後ろから誰かの手がぼくの肩に伸び

マッサージをしだす。



上手い。



子リスかな、と思って振り向くと

まったく知らない眼鏡をかけた若い女性だ。


ぎょっとするも

向こうはそれを見越しているかのように

ニコッと笑顔を返す。


私、人の肩を揉むのが好きなんです

と言いながら

どんどんツボを狙いまくる手、指。



はぁー、気持ちいいー。



いくら揉むのが好きだからといって

そこまでフレンドリーになられてもなぁ

とも思うが

気持ちよさが若干勝るので

なされるがままにしていると

後半が始まる合図のアナウンス。


ライトが消え、マッサージ終了。


映画が再スタート。



結局ストーリーはよくわからないまま

映画が終わる。



子連れのお母さんたちが去った後

しばしその場に佇み

隣のお母さんが忘れていったと思しき

子どもの船のオモチャを手に取り

スクリューを回してみると

じつに精巧にできていて

これがオモチャ?と驚く。



ここは一体いつの時代なんだ?



いったいぼくは何をしに

ここへ来たんだ?



この映画は何だったんだ?



そんなことを考えていると

なんだかものすごくいい香りがしてきた。



これはイカ焼きかな?

お祭りの縁日などで嗅いだあの香り?



ちょうどその時

清掃のおじさんが

ぼくの椅子の列を掃除しにやってきた。



手には長いトングというか

駅とか歩道などで吸い殻などを拾う

あの長いピンセットのようなものを持ち

片手には45リッターのゴミ袋を持ち

床の清掃をしていた。


「誰かが、忘れていっちゃったんだねぇ」


とぼくに見せたのは

まさにイカ焼き・・・ていうか

タコの一夜干しを焼いたもののようだった。


それが香ばしい香りの元だったのだ。



なんだかそれがとても気になって

おじさんから手渡してもらって

その匂いを嗅いでみる。



ああ、いい香り。



その時

なにかそのタコが

かすかに動いたように見えた。



おじさんはぼくの様子は伺っていたけど

タコの動きにはまったく気付いていない。



「おじさん、このタコ、動いたみたい!」

「んなわけないだろうさ、もう焼いちゃってあるし」



そうかな、そうだよな

と思いつつももう一度タコを凝視する。


すると残された足というか手というかが

やはりかすかに動いた気がした。



今度はおじさんもちょっと

あれ?という表情を見せた。


「やっぱり、うごいてるよ、これ」

「ん、だな、おれもちょっとそんな気がする」


すると今度は

ぺちゃんこになった頭の部分が

少し持ち上がったような気がした。



やっぱり、まだ息がある。



「おじさん、これもらっていい?」

「ああ、いいとも」



それを聞いたぼくは

なぜか分からないが

このタコをここで死なせてはいけない

太陽に当ててあげたいと思い

早足で劇場の外へ出た。



やっぱり、少しだけだけど、動く。

それが手に伝わってくる。



なんだか胸がざわざわしてきた。



日当たりの良い道路まで出て

ぼくの腕の中でそっと

そのタコを広げてあげる。



すると、手(足?)をぼくの腕に回し

体の支えにしながら

ぺちゃんこの頭をわずかにもたげ

目も中身もないにもかかわらず

太陽を凝視する姿勢をとり

やがて誰かを探すような仕草を見せた。



ぼくはタコの手を取り

「どうしたんですか?誰かを探してるのですか?」

と尋ねてみた。


するとほとんど聞こえないような

か細い声で


「はい、子どもたちを。

私は子どもたちにお弁当を作っていたのですが

その最中に網でさらわれてしまって。

子どもたちにお弁当を作ってあげないと」



最後の力を振り絞ったのだろう

その言葉とともに

それまで支えていたて(足?)の力が抜け

ぐったりとなった。



ぼくは途方にくれたが

最後に

「だいじょうぶ、ぼくがその続きを作りますから」

と伝えるとそのタコは

わずかに頭を縦に動かすような仕草をした気がした。



ぼくは腕の中で

そのタコを丁寧にたたんであげた。



太陽が暖かく、気持ちが良い。



目が覚めた。



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